ソフトバンクで購入したiPhoneを海外で使うにはローミングなどを利用しますが、数年かけて海外を周るような超長期滞在ともなると高額過ぎて現実的ではありませんね。
そこで!可能な限り安く抑えつつ、手元にある端末を最大限に活用する方法を試してみました。
iPhone 4のデリケートなボディには長旅は厳しいでしょう、ということで、少しくらい落としても壊れないiPhone 3G/3GSのボディが気に入っています。
このiPhone 3GのSIMロックを解除して、SIMフリー端末にし、ソフトバンクのプリペイド携帯電話であるプリモバイルのSIMで利用できるか、試してみました。
結果、出来ました。おおよそ快適です。これで、必要に応じて現地SIMを調達してiPhoneを使うことができそうです。
作業にあたり参照した資料です。目を通しておくことをおすすめします。
- 高額なローミングチャージを払わずに海外でiPhone 3Gを使う方法
- Whited00r: iPhone3G、iPod Touch2Gなどの旧デバイスにiOS5をインストール
- iPhone4Sには乗り換えたかい?余ったiPhone3GSを有効活用!iOS5のiPhone3GSをモバイルルータにしてみたよ
用意したもの
- iPhone 3G (旧ブートロム、SoftBank iPhone黒SIMロック)
- SoftBank iPhoneで契約している黒SIM
- SoftBankプリモバイルで契約している白SIM
SIMロックを解除する
まず、SIMロックを解除するために、Jailbreakします。redsn0wでJailbreakしたあとにCydiaアプリをインストールしてSIMロックを解除するのが、より一般的な方法のようですが、試したところ使用に耐え難いほど不安定な状態になってしまったので、whited00rでSIMロックまで一気にやる方法にしました。今回は後者の方が安定しました。
注意点ですが、whited00rはiOS 3をベースにしてiOS 5相当の機能を独自に移植したもの(ソースは確かめていないが、そう見える)です。
- iOS 5のすべての機能をサポートしているわけではない
- 見た目は純正の機能やアプリを模倣しているが、細かい実装が同一ではない
- AppStoreから直接インストールできない(iTunesから転送してインストールする)
- iOS 3をサポートしていない純正アプリはインストールできない
- マルチタスクに対応していないアプリがある
- GmailアカウントをMicrosoft Exchange経由で利用することだけ想定しており、個別にアカウントを設定できない
モデムファームウェア(ベースバンド)は、06.15.00にする必要があると思います。whited00rはモデムファームウェアを変更しないらしいので、"redsn0w 0.9.6b5"でiPad向けのモデムファームウェア(06.15.00)へ変更します。モデムファームウェアを06.15.00へ変更すると、GPSの精度が下がるなどのデメリットもあるようなので、よく調べましょう。モデムファームウェアを純正のバージョンから上げると、iTunesではリストア途中に「1015エラー」が出て、リストアが途中で終わってしまいます。この状態のiPhoneはiOSが起動できなくなっています。一度、モデムファームウェアを純正よりも上げたiPhoneは、redsn0wなどでリストアする必要があります。
iOS 4.2.1でリストアする
iPhone端末をクリーンな状態にした方が、より安定するので、まずiTunesでiOS 4.2.1をリストアします。
アクティベート可能なSIMを装着する
リストアしたiPhoneをアクティベートするために、SoftBank iPhoneで契約している黒SIMを挿し、iTunesに接続します。これで、インターネット経由でソフトバンクのセンターと通信し、利用開始の認証が行われるらしいです。
whited00r Unlocker版でリストアする
“whited00r Unlocker”でググってありかを探し、whited00r Unlocker版をダウンロードします。ダウンロードできたらiTunesでリストアします。
参照資料
Cydiaをupdateする
Cydiaを最新にUpdateする必要があります(後述の”User Agent Faker”を正常に動作させるために、必要がありました)。ダウンロード時間短縮のために、WiFiが使えれば設定します。
SafariのUser Agentを”Apple iPhone”に設定する
whited00rのSafariは、User Agentが純正のSafariとは異なります。いろいろ不具合のもととなりえるので、修正します。Cydiaから”User Agent Faker”をインストールします。インストールしたら、”User Agent Faker”の設定で、SafariのUser Agentを”Apple iPhone”に変更します。
参照資料
一括設定プロファイルをインストールする
ソフトバンクWiFiを利用可能にするために、iPhoneのSafariで”http://sbwifi.jp”にアクセスして、一括設定プロファイルをインストールします。この手順は、通常のソフトバンクiPhoneに一括設定プロファイルをインストールする手順と同じです。ソフトバンクの取扱説明を参照してください。
注意点
- SafariのUser Agentを”Apple iPhone”に設定する(前述)
- APNの設定が、SIMに合っているか
SIMを挿す度にAPN設定が書き換わるので注意します。「Settings」アプリの「General > Network > Cellular Data Network」の「Cellular Data」の設定内容を確認します。
ソフトバンクのiPhone専用のSIMカードの場合
- APN:smile.world
- ユーザー名:dna1trop
- パスワード:so2t3k3m2a
ソフトバンクのiPad専用のSIMカードの場合
- APN: sbm
- username: data
- password: softbank
ソフトバンクWiFiだけでなく、"SoftBank Eメール(i)"の設定もインストールされます。whited00rには、ここでインストールした"Eメール(i)"の設定を削除したり無効にする機能がありません。注意しましょう。
プリモバイルのSIMに入れ替える
すでにiPhoneに挿入してあるSoftBank iPhoneで契約している黒SIMを抜き取り、SoftBankプリモバイルで契約している白SIMを挿入します。
MMSを設定する
SoftBankプリモバイルは、オプションの「メールし放題」を申し込むと、SMS送信/MMS送受信を利用できるようになります。SMSの送受信は追加設定なく利用できますが、MMSを利用するためには次の設定が必要です。「Settings」アプリの「General > Network > Cellular Data Network」の「MMS」を次のようにします。設定したらiPhoneを再起動して設定を有効にします。
SoftBank プリモバイル専用のSIMカードの場合
- APN: mailwebservice.softbank.ne.jp
- ユーザー名: softbank
- パスワード: qceffknarlurqgbl
- MMSC: http://mms/
- MMSプロキシ: sbmmsproxy.softbank.ne.jp:8080
- MMSの最大メッセージサイズ: 307200
- MMS UA Prof URL:<空白>
ということで、標準のSIM以外でも個人的な用途には耐えそうだ、ということがわかりました!